フラメンコ豆知識です。
フラメンコの歴史
フラメンコはスペイン南部アンダルシア地方で生まれ育った芸術です。そのようなわけで教室名にアンダルシアとつけさせて頂きました。
アンダルシア地方はイスラムの影響が強く、独特の文化が発達しました。そういった環境の中で、ロマ(ジプシー、スペイン語ではヒターノと呼ぶ)の人々が自分の気持ちを表現するために即興的に歌ったり踊ったりしたものがフラメンコの起源といわれています。19世紀になると、フラメンコはショーとして演じられるようになりました。現在では世界中にフラメンコ愛好家が増え、特に日本でフラメンコを習っている人はスペインより多いとまで言われています。
フラメンコ三位一体
フラメンコは踊り・歌・ギターの三位一体だと言われています。
スペイン語で踊りはバイレ、歌はカンテといいます。バイレ、カンテ、ギターの三者は気持ちを一つに作品を創っていきます。
一番大切なもの…コンパス
コンパスとはフラメンコ独特のリズムのことです。フラメンコの曲にはこのコンパスの違いにより、何種類かの形式に分けられます。昔はフラメンコで楽譜を用いて曲を記録するということはなかったのです。
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12と数えて1コンパス。12からまた1に戻ります。これはソレアという曲のコンパスの形式になります。
フラメンコ的な音はどこから?
物悲しくも力強いフラメンコらしい音の秘密は音階にあると言われています。「ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」とミで始まりミで終わる「ミの旋法」は短調と長調の性格を併せ持ち、フラメンコらしさを出しています。
フラメンコ舞踊の特徴~身体の使い方~
フラメンコは地面と仲良しだといつも思います。膝を軽く曲げ、力を抜いて腰の位置を少し低めに保ちます。足技をする時も歩いて移動するときも常に腰の位置は低いままです。したがって頭もぴょこぴょこと動きません。
また手の動きも特徴的です。特に女性は手首を良く回します。指もバラバラに動きます。踊っている時の手や指の形は仏像を連想させます。フラメンコはインド起源のロマの人々が踊っていたものなので、東洋的な要素がたくさんあるのですね。
フラメンコの靴
フラメンコの踊りには靴は必需品ですね。昔は裸足で踊っていた有名な踊り手もいたようですが。
男性用のフラメンコシューズはボタといいます。写真左端のショートブーツです。
足音でリズムを刻む技を「サパテアード」といいます。
靴底には釘がうってあり、音がよく出る仕組みになっています。
足技の種類は主に4つあり、足全体で打つ「ゴルペ」、足の前部分で打つ「プランタ」、かかとを鳴らす「タコン」、つま先「プンタ」を使って様々なリズムを作り出します。
フラメンコの衣裳
フラメンコを踊る女性に特徴的なのが何と言ってもあの派手な衣裳ですよね。
赤と黒を基調にしたスカートや裾にフリルがたくさんついた衣裳。ウエストや腰回りは体のラインにぴったりと合っています。特に水玉模様は昔からフラメンコで愛されています。現在では斬新な幾何学模様や、優しい色合いの花柄などの生地が使われていたり、デザインも多様化しています。
アクセサリーも独特?
フラメンコの女性がつけているアクセサリーもちょっと独特です。
伝統的には光モノはタブーだったようで、イヤリングや飾りくし(ペイネタという)もマットな材質が使われていました。頭につける大きな造花も欠かせませんね。
フラメンコ舞踊で使う小道具たち
フラメンコ舞踊ではさまざまな小道具を使い、踊りに華を添えています。
東洋の扇子がスペインに伝わった「アバニコ」。くるくると回したり、両手で持ってあおいだり・・・女性らしい表現が似合います。
フラメンコ舞踊で使われる帽子は「コルドベス」と呼ばれます。かぶっているだけでなく、手にもって回したりふったりして使います。明るく元気の良い曲に向いています。
写真左下。「マントン」と呼ばれる、大型のショール。両手または片手で大きく振り回す、身体に巻き付けるなど高度なテクニックが必要となります。カーニャ、ソレアなど格調の高い曲によく似合います。
カスタネット
フラメンコ舞踊で使うカスタネットは左右一対で両手に装着します。カスタネットについている紐を親指にかけるようになっていて、左手でリズム、右手で装飾音を奏でます。左手は中指だけ使用しますが、右手は小指、薬指、中指、人差し指の4本を使って叩きます。
手拍子とオレ!
フラメンコに欠かせない手拍子は「パルマ」と呼ばれます。ダンサー自身が叩いたり、バックでカンテ(歌の人)やパルマ専門の人が叩きます。これはノリを良くするために適当に叩いているのではなく、曲のリズム(コンパス)に合わせ叩いています。ですから、曲を良く知っていないと叩けないのですね。観客としてフラメンコを見に行った時などはむやみに手拍子を叩かないようにしましょう。
フラメンコの踊りや演奏が良かった時、掛け声が飛びます。掛け声は「ハレオ」と呼ばれます。有名なのが「オレ!」ですね。「オーレ」とならないよう短めに発音してくださいね!観客から掛け声がかかると嬉しいものなので、こちらはどんどんやってください!