みなさんこんにちは♪
フラメンコ教室アンダルシアのブログへようこそ!
前回に引き続き、フラメンコのコンパスのお話しをしていきましょう。
フラメンコは指揮者もおらず、また楽譜を使わずに、ギター、歌い手、踊り手の3者がどのように曲を理解しているのか?
ということでしたね。
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フラメンコを演じる人々の共通の理解となるのが、前回からお話しさせていただいて「コンパス」なんです。
例えばアレグリアスを踊る時は、伴奏のギタリストさん、歌い手さんにこのように伝えます。
(構成は一例です)
「最初はカンテ・サリーダをお願いします。カンテ・サリーダが終わったら舞台中央に移動して
ジャマーダをします。ジャマーダは2コンパスあります。ジャマーダの後すぐに1唄入ってください。
1唄が終わりましたら2コンパス弾いてください。そのまま足に移ります。
足はこんな感じで締めますのでお願いします。
ジャマーダをしますので2唄をください。1コンパス唄ったらレマーテを入れます。
2唄終りでジャマーダをしますので、締めてください。
シレンシオは11コンパスあります。終りの2コンパスでスピードを上げてください。
ジャマーダをしたらエストリビージョの唄をください。
ジャマーダをしたら締めて、一回コンパスを切ってください。
エスコビージャは私から始めます。
スビーダは4コンパスです。そのままブレリアに移ります。
ブレリア唄は1つでレマーテなしです。
舞台下手(しもて)のほうにはけていきますので、お願いします。」
ざっとこんな感じでお伝えすれば、思った構成どうり伴奏してもらえます。
ジャマーダとか、レマーテとか専門的なスペイン語がたくさん出てきましたが、
これらの説明はまた後の機会にさせていただくとして、今回はコンパスの説明をしましょう。
オレンジ色で示した部分は、曲の中で何をやるかコンパスを使って長さを説明しているところです。
2コンパスというと、
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12
これだけの長さがあります。
その間ギターの基本的な伴奏を弾いてもらうとか、その間決まった足のリズムを打つというときに使います。
面白いことに、40コンパスやります、とか100コンパス続けますのでよろしく、などと言うことはありません。
プロのフラメンコダンサーは足技の部分がすご~く長いことはありますけど、そんな風には伝えていないです。
数えるの大変ですからね!
そういう時は、終わる時はこんな風にやるからコンパスを切ってくれ!という感じにお伝えするはずです。
そう、緑色で示した部分がその例の使い方です。
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12 (動作で示す)
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10 ←締め
アレグリアスの場合、締めは10です。
ひとつかふたつ前のコンパスで次に締める約束の動作を示しておくと、
お約束通り、10で弾くのをやめてくれます。
順番が前後しましたが、足技などまとまった動作をする時には、
青で示したような使い方をして、コンパスの位置を伝え、テンポなどの変化をつけると良いでしょう。
ちょっと難しい話になってきましたね。
もちろんフラメンコ練習生の皆さんは自分で説明できなくても先生が伝えてくれるので大丈夫です。
それでも、わかっているほうがいいですよ(^_-)-☆
最後に、ピンク色で示したような使い方をする時です。
「エスコビージャ(足を使ったリズム部分)は私(ダンサー)から始めます。」
というくだり。
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12
エスコビージャに入る前、コンパスが切れていて無音の状態になっているとします。
誰かが音を出さなければなりませんよね?
「せーの」と言うわけにもいきませんし。
ダンサーから始める場合は、例えばコンパスの下線で示した部分、1・2・3・までを足音を出したら、
それを聞いてギターやパルマ(手拍子)の伴奏者が4あたりから入ってくる、ということです。
もちろんギターからはじめて、後でダンサーが入る場合もあります。
このように楽譜がなくても、また指揮者がいなくても、
ダンサー、ギター、歌い手、パルマが一丸となって一つの曲を演じることができるわけです。
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フラメンコを踊るためにはコンパスの理解が非常に大切です。
フラメンコ教室アンダルシアでは各クラスの課題曲について、単純に振付を覚えるだけではなく、
コンパスを理解できるように指導させていただいています。
文章で書くと難しそうに感じられてしまいますが、
歌うようにアクセントをつけて数えるだけなので、
いちど覚えてしまえば簡単ですよ♪